Category Archives: 武澤日誌

原稿を書くということ

『小説道場』(森村誠一著、小学館)より抜粋
……
30代後半から40代にかけては一日10数時間、月産で700枚(一枚400文字)くらい書いたものであるが、今日ではそんなに量産する作家はいないようである。当時は松本清張が月産2300枚、食事に1分20秒、排泄に10数秒しかかけていないとコンピュータで計算されたという。
笹沢佐保は月産1000枚、座って書くと眠ってしまうので立って書いたとか。梶山李之は連載14本〜15本、全誌制覇したとかいう伝説やエピソードが生まれたほどに各作家、執筆量を競い合っていた。私自身の経験から、500枚ぐらいまでは多少余裕があるが、これを超えると、ほとんど社会生活はできなくなる。
……

森村氏が月産で700枚(28万文字)、笹沢氏が月間1,000枚(40万文字)、松本清張氏が2,300枚(92万文字)ということか。

ちなみに、

・『老人と海』のような短編だと37文字×15行=555文字 ×147ページ (8.2万文字)
・『西郷札』のような短編だと38文字×16行=608文字 ×62ページ (3.8万文字)
・『二銭銅貨』(江戸川乱歩デビュー作) (2.2万文字)
・『門』のような中編だと37文字×15行 555文字×288ページ (16万文字)
・『世に棲む日日』のような長編だと43文字×18行 774文字×1133ページ (87.7万文字)
・『ノルウェイの森』のような長編だと40文字×16行 640文字×592ページ (37.9万文字)

となっている。

私の目標は、毎月一週間で一冊の短編小説を書くことを目標にしているが、月間4万文字なんて少なすぎるということか。その10倍、20倍書かなきゃならん作家になろう。

<後日談>
この記事をFacebookにも投稿したところ、こちらのようなコメントが付きました。かなり参考になります。→ Facebook記事

松浪 悟と張社長の邂逅(かいこう)

松浪 悟(まつなみ さとる)が40歳になったとき、勤務先の東栄百貨店が香港駐在員を募集した。
婦人服バイヤーだった松浪はすぐに立候補した。当時、人事に立候補することなどあり得ないことだったが、何としてでも香港に行きたいと松浪は決死の覚悟で副社長に直談判したのだった。

執念が実り、駐在が決まった。
その翌年、「将来は家族も呼んで香港に住む」と決めた松浪は、頭金300万円で1,000万円のマンションを買った。そして、当座は人に賃貸することにした。
住居人は中国人経営者の張 洲民社長(仮名、32歳)だった。張社長は29歳まで日本の会社で働き、帰国後香港で独立した。日本向けに大理石などの建築資財を輸出するのが主な仕事だった。日本語も堪能で、いつも身なりがよく礼儀正しいことから松浪は張社長を信用し賃貸契約をむすんだのだった。

しかし、半年後から家賃の支払いが滞るようになった。会って事情を聞くと、日本の大口客の一社が倒産し、数百万円の代金が未収のまま焦げついたという。東京に営業所をつくって日本人社員を採用した直後でもあり、経費もかさんでいた。売上も半減したため、損失を取りかえそうと張社長は株式投資に手を染めたが、それがアダとなって傷口を大きく広げてしまったという。

「で、どうするんだ」と松浪が聞くと、驚くべき言葉が張社長から発せられた。

「死んでお詫びしたい」

「バカかお前は」 思わず松浪はそう言った。香港では日本より自殺率が少ないが、張社長の母国・中国では日本よりそれが多いことを松浪は知っていた。
ちなみにこちらが国別の自殺率ランキングである。
「金がないことぐらいで人生を悲観してどうする」 いつしか松浪は家賃の督促よりも張社長を励ます立場に変わっていた。
責任感の強い張社長はこう言った。
「30を過ぎた男がお金の問題で人に迷惑をかけるというのは最大の恥です。生きている資格がありません」
「お前はどこまでバカなんだ。そういう考え方をする人間が日本に多いのは分かっていたが、中国にもいるのか」と松浪は驚いた。
「他の人のことは知りませんが、僕の常識はそうです」と張。

松浪は、婦人服バイヤーとして無数の企業経営者を見てきたが、もっと無責任でちゃらんぽらんの人間が平気で世の中を渡っているのを知っていた。

「いいか張。死のうなんてバカもやすみやすみ言えよ。何があっても平気で生きていくのが人間だろうが」
「平気でいられません。苦しいんです。夜もねむれません。幸い独身ですし親も痴呆なので悲しむ人はいません」
「そんなことを考えるなんて人間ができてない証拠だぞ。いいかお前、かりそめにも経営者なんだろう。だったら事業の損は事業で取り返せよ。それぐらいの気概がなくちゃ社長と言えんだろう」

結局、松浪は半年の猶予を与えることにした。張はその月から毎月、売上や利益の速報を松浪のオフィスに FAX すると約束した。
4ヶ月めでようやく一月分の家賃を払いこみ、5ヶ月めからは二ヶ月分の家賃を払えるようになり一年以内にすべて精算した。

その14年後、松浪が55歳になったとき東栄百貨店から独立し、貿易会社「スモールサン有限公司」(仮名)を立ち上げる。
その最初の客先が張の会社であり、毎月多額の収益がスモールサンにもたらされることになる。それどころか、松浪の長男・豊が中国に留学したときには、張社長の本社(その当時はチンタオ)がある大学を選び、公使ともに世話になっている。

今年71になる松浪は張社長をこうふりかえる。

「香港に来て30年、自分のことしか考えていない人間を多くみてきた中で、自殺をほのめかすほど気まじめな中国人経営者はほとんどいなかった。それほどまでに自責の念が強い人間だからこそ、きっとこいつはモノになると俺は思った。案の定、張君はその分野で中国ナンバーワンの会社を作った。そして、俺の数少ない中国人盟友の一人になった。何歳になっても失敗や挫折はつきものだ。そのとき大切なことは、自分を責めるのではなく、仕事の損は仕事で取り返す気持ちをふ
るいおこすことが大切なんだ」

※この話は、実話を元にした電子書籍小説「企業家列伝」シリーズの『アジアの小太陽』(下巻)より抜粋し編集したものです。
上巻はすでに発売中で、Kindle ストアで購入できます。
1〜2時間で読める短編小説(約35,000文字)で、当面は一冊300円で提供しています。

★アジアの小太陽(上巻)

実話ならではの迫力!
下巻は来週発売予定です。

最強のお店の四条件

昨日のウオダイさんの経営計画発表会で私が講演した「最強のお店の四条件」とは何ですか?という問合せが何件か届いています。
気になる方のために、私がお話しした骨子をお伝えします。

最強のお店の四条件とは、つぎの四つのことが実現できているお店(会社)です。要約すれば、
1.お客さんが喜ぶ(会社からみたら「成長できる」)・・・高成長または適正成長

2.社員が喜ぶ(社員が成長し、待遇も年々良くなる)・・・・・・好待遇
3.会社が喜ぶ(営業利益が売上の○%以上ある)……適正収益
4.社会が喜ぶ(会社がつぶれない。会社が存続し、雇用と納税が安定する)……好財務

ということになります。
会社やお店がめざす方向性がここに集約されているのではないでしょうか。

ウオダイ経営計画発表会

「ウオダイ物語」のウオダイさんで第61期経営計画発表会が行われました。
三回目の発表会ということで、加藤千博社長の発表の様子には少し余裕が感じられました。計画書の内容はさらに完成度があがって、立派なものでした。
社員約50名(全員)が熱田のセンチュリーホールに集まり、店を臨時休業しての発表会です。気合いの入り方が違いますね。

<発表会式次第>

13:30 司会あいさつ
開会宣言、経営理念唱和(店長)
13:40〜13:50 来賓紹介
13:50〜14:30 方針発表(社長)
14:30〜15:20 部門計画発表(6人の部門長)
15:20〜15:30 休憩
15:30〜16:30 記念講演(有限会社がんばれ社長 武澤 信行)
演題「最強のお店の四条件」
16:30〜16:35 社員決意表明(精肉チーフ)
16:35〜16:50 来賓あいさつ(担当税理士)
16:50〜17:00 閉会宣言(サブチーフ)
閉会あいさつ、社員アンケート
17:00 終了、解散

2014-03-17 13.45.412014-03-17 14.45.42

2014-03-17 17.55.57

 

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紙の本のニーズ

紙の本を読みたいというメールが2通届きました。
いずれもその理由までは書いてなかったのですが、おそらく電子書籍が読めない環境にあるか、読めたとしても紙の本に愛着があるかのどちらかでしょう。

どうしたものか思案中です。

今日、「ウオダイ物語」のウオダイさんで経営計画発表会

今日3月17日(月)の午後、ウオダイさんの61期経営計画発表会が名古屋市内で開催されます。
小説にも登場したC銀行や腕きき税理士さん、ほかの来賓も出席されるそうです。私も招かれていて、一時間ほどスピーチすることになっています。

『ウオダイ物語』が出て以来はじめて加藤千博社長とお目にかかります。どんな話が聞けるか。

齋藤典子さん、ブックレビューありがとうございます。

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5つ星のうち 5.0 生き様にドキドキ, 2014/3/16
Amazon.co.jpで購入済み(詳細)
レビュー対象商品: アジアの小太陽(上巻) (リアルビジネスを小説で「企業家列伝」) (Kindle版)
人間関係を築くことに手を抜かず全力で生き抜く姿勢、そして男気ある決断と意思の強さにドキドキしながら読ませていただきました。いつの時代も人と人との信頼関係があってこそ成り立つんですよね。わたしも約束も守る!実践していきます!

★★★★★ を頂戴しました。ありがとうございます。
もしよろしければ、次の原稿をお友だちに教えてあげてください。

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この電子書籍小説、ハラハラして面白かったのでおすすめします。
知人の武澤さんが書いたもので、実話だそうです。
★アジアの小太陽(上巻)300円
http://www.amazon.co.jp/dp/B00IZGMBF8/
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